最後の2人きりでデートの朝。
早起きして、片道1時間ちょっとかけて実家へ。
母親に子供を預けることになっていたので、ついでに話もすることに。
包み隠さず、マッサージに行ったこと、それでどんどんエスカレートして豊胸までして壊れてしまったとのこと、そこで楽になりたいから離婚したいとのこと、全部伝えました。
自分の子供というひいき目もあるかもしれませんが、私に対して何の不満があるのか、仕事もしてるし家事もしてる、結婚生活なんてそういうものだ。
普通の感覚で思う事でした。
私も、そういう感覚でした。
でも、奥さんが感じている不満はそこじゃないんです。
とにかく、今日は楽しんでくると伝えて実家を出ることに。
昼過ぎに、銀座で待ち合わせ。
休日なのでだいぶ人通りは多かったのですが、すぐに奥さんを発見。
まずは、前日に奥さんが発見し行きたいと言っていた、絵の展示会へ。
ここ最近、あなたはもっと芸術作品に触れた方がいいよと言っていた奥さん。
私は、絵とか芸術とかに関しては一切興味がないのです。
世界観が広がるから、子供にもいっぱい見せて欲しい。
そう言われました。
だからこそ、今まで見たこともなかったのですが、思い切って見に行ってみる事に賛成してみました。
実際に行ってみると、奥さんのテンションは激上がり!
私も意外と楽しめて、素晴らしい作品の数々を見て、なんだか心が洗われた気がしました。
そんな気はなかったのですが、1枚の絵を購入することに。
見ていた中で一番きれいだなぁと思った絵だったので決めたのですが、実は奥さんの名前にも関係のあるものが描かれた絵にしていました。
無意識の中で、自分は意識していたのかもしれません。
今なら数日前に言っていた奥さんの話で、目の前で起きている出来事が何かを示唆しているんじゃないかという話も、すんなりと受け入れられそうです。
絵の次は食事。
しかしながら、途中で気になるものを発見し立ち止まる。
数日前から当たる気がすると言っていた宝くじを購入することに。
自分で数字を選べるタイプのものとスクラッチ式のものを購入。
スクラッチに関してはその場で削り、奥さんは2,000円が1,200円に私は2,000円が2,200円になりました。
正直、こんなとこで運使うなよって思いましたが、当たって嬉しかったのは事実です。
それから、デパートをうろつき奥さんの財布を購入することに。
実は、前日の夜この話で少しもめました。
奥さんは最後に財布を買って欲しいとねだってきました。
賃貸はオレ名義で借りるし、当面の生活費は援助しなければならない。
その上、財布まで買わせるのか??
銀座だぞ、ブランドものか??
私は、イヤだと拒否しました。
あからさまに態度に出てるのがわかりましたが、さすがに贅沢が過ぎるだろうと思いこちらも曲げませんでした。
蓋を開けてみたら、安物でもいいから最後にプレゼントして欲しかったとのこと。
女心はわかりません。
安物でいいから買って欲しいと言わないくせに、買わないというと安物でいいから買って欲しかったと言う。
それくらいわかってよ、が言い分だと思います。
男を代表して言います。
わかんないよ。
だけど、決めてました。
奥さんに、財布を買ってあげようと。
ただし、高過ぎるものは買わないという気持ちはもちつつ。
ただの意地です。
結局、1万円しない財布を購入し、とても喜んでました。
結婚記念日に、めちゃめちゃ奮発して大人の女性になって欲しいと買ったエルメスのスカーフをあげた時よりも嬉しそうでした。
感覚ズレてたんだね。
その後は、奥さんが行きたいと言っていたお店に行きちょっと遅い昼食。
薄暗い雰囲気で、途中プロジェクションマッピングのような演出があったりしてとてもいい雰囲気でした。
「夫婦の時に来たかったね」
奥さんが言いました。
もう、夫婦という認識はないんだね。
私は思いました。
それから、結婚指輪・婚約指輪を丁寧にケースに入れて、一つの言葉と共に返却。
「私には、もったいなかったです」
店内が薄暗くて良かったです。
私は、泣きに泣きました。
楽しい話をしても、
私がダメだった話をしても、
これからの話をしても、
涙が止まることはありませんでした。
最後に、お互いに今後してあげたい事・して欲しい事を交換して終了。
子供をしっかりと育てたいという思いは共通でしたし、相手を思いやる気持ちもお互いにちゃんとありました。
店を出た後は、奥さんがカラオケに行きたいというので行くことに。
私は、人前で歌を歌うのが苦手なのでここ10年くらいカラオケで歌った記憶がありません。
でも、最後だしもういいやと歌いました。
横で、奥さんが泣いていました。
「なんだよ、全然上手いじゃん」
私は、なんだか人生いろいろ損してきたなぁと思いました。
苦手だからやらないとか、
今が安定しているからチャレンジしないとか、
知らないから興味ないとか、
自分の殻に閉じこもって、視野の狭い世界で生きてきたんだなぁって。
「ひとりぼっちのハブラシ」
人生で一番熱唱しました。
帰り際に、「意味わかって歌ってたの?」と聞かれましたが、理解しようとすると泣いちゃいそうだから「あんまりわかってなかったよー」と強がりました。
本当は、わかってたよ。
信じて待つよ。
その歌詞を伝えたかっただけ。
あとは、子供の服を買ったり・ゲーセンでホラーゲームをしたり・ラーメン食べたり。
いい時間になったので、私は子供を迎えに実家へ行くことに。
迎えに行く電車の中で一人、今日の出来事を振り返ろうとしましたが、また涙が出そうになったのでやめました。
実家につくと、子供が満面の笑みで迎えてくれました。
宝物です。
明日から、また仕事だけど頑張ろう!!
☆ポチっと応援お願いします☆